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のんびりまったり無法地帯
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アナトリアの傭兵→フィオナ。
彼の独白。自分にとって唯一の夢であり希望であり願望。

このカップリングは衝動的に書きたくなるんですが上手くまとめられなくて未完成のまま放置していたりする。今回のもなんだかぐちゃぐちゃで微妙のまま完成することができず放置してたものなんだけど久々に読み返したらまあいいか、と思ってしまったのでほぼ未修正でそのまま投稿してみます。

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最近、自分は夢を持つようになった。
そうは言っても将来叶えたいとか言う希望に満ち溢れたそれではない。ただただ、その言葉通りの”夢”である。あるいは”願望”と言った方が相応しいのかもしれない。

自分がネクストに乗るようになったのは助けてくれた彼女の恩に報いたいという想いももちろんあるが、それ以上に自分を完膚なきまでに叩き壊してくれたあのネクストという機体に興味があったから、なのかもしれない。たとえ適正が劣悪だろうと、あのネクストと再び相見えることができるのならば…。もう一度戦ってみたい。そういう想いも強かったのだ。

自分は傭兵だ。ACに乗って戦うことしか脳がない。だからこのわずかながら反応を示した適性は劣悪だろうがなんだろうが、自分にはかすかに見えた希望だった。自ら選んだ道に後悔はしていないのだけれども、己のせいだと胸を痛める彼女には申し訳なかった。

そうしてリンクスとして新たに始まった傭兵家業は想像以上に地獄を見た。
適正の悪さのおかげでネクストに乗るたびに頭痛や目眩、吐き気を催す。長期戦ともなれば意識も朦朧とし始め、もはや意地だけで動いているときもあった。あまりの苦しさに発狂しそうなこともあったが、それでもネクストに乗ることをやめなかった。

自分は傭兵だ。ACに乗って戦うことしか脳がない。AMSの高負荷で体が蝕まれようがそれにより寿命が縮もうが戦場で戦うことを望む。それしか、生き方を知らないからだ。

彼女の恩に報いるためと、もう一度戦場に戻りたいため。そんな理由でレイヴンからリンクスへとなったが、今では戦う理由がもう一つできている。

それは彼女ーフィオナを守りたい。

リンクスになる前の夜に、自分がネクストに乗るのは自分のためだと彼女にはっきりと言ったことがある。単純にもう一度戦場に戻りたいから、だからお前が気に病む必要はないのだと。しかしそれでもフィオナの表情は固いままだった。その後彼女もオペレーターとしてサポートすることになったが未経験の彼女の仕事ぶりは当たり前だがお粗末なもので、煩わしいとさえ思うこともあった。
でも、そうだとしても。
決して、嫌だと思うことはなかった。
自分の身を日頃から案じてくれている彼女に絆されてしまったのだろうか。何ともむず痒く不思議な気分だが、悪くはなかった。

そうしていつしか彼女を守るために戦うようになって、一つの夢を持つようになった。
その夢が叶うのは限りなくゼロに近いと思う。自分が戦場で戦う限りはまず無理だろう。
それでも、万が一。
ふと一息ついた時、部屋からくすむ外の景色を何気なく眺めた時、彼女を思い浮かべながら願ってしまう。

死ぬときは、フィオナの腕の中がいいと。

最期が訪れたとしても、意地でも彼女のもとへ帰って、そして彼女に抱かれながら逝きたいと。全身の苦痛から解放されて最期に聞けるのが彼女のあの優しく、柔らかい、控えめな声だったらー。
薄れていく意識の中で聞ける言葉は、きっと”あの時”と同じである気がする。

それを想像するだけで、この胸はとても満たされるのだ。



作成日:2017年10月2日
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